100のお題
お好きなものをお好きなだけどうぞ


き  君の名のコノテーション
み  惨めっぽい本意
の  のどなんかずっとまえなくした
な  撫でる手は震えるけれど
ま  前髪ではねた陽
え  選りすぐりの婉曲なら
を  汚点のある肌
ど  どれでも好きな灯を持って
う  うつろうゆめ
か  悲しみの色をしている
よ  予感としてなら知っていた
ば  ばかやろうでじゅうぶん
せ  せりあがる陳腐なことば
て  てっぺんのひとり


ほ  ほんとうは遠くで
の  覗きこんで、竦んだ
か  彼を滲ます悪いやつ
な  波ははじめ風だった
ぬ  ぬるめた情熱で
く  くるしいのが終わったら
も  貰ってほしい春があるんだ
り  リネンは星と陽のにおい
だ  出せない手紙の宛名
け  敬虔な銃口
を  音だけで降る雨
と  遠ざかりゆく幻に
か  風は何から逃げてるの
し  終着予定地
こ  言葉なんか残らなかった
も  もげるようにこぼれた嘘
う  後ろ姿はりりしすぎて


た  正しく願うことはできなかった
と  鳥が歌い、君は黙る
え  英雄性の否定
き  君にやさしいなにもかも
み  右手には百合の花、左手にはさもしい空白
に  肉体に庇われたそのたましいを
と  ときどきでいい、最後でないなら
ど  どうか私の日常でいてください
か  駆けて駆けて、いつかふわりと
ず  ずるいけどきれい、だからずるい
と  問うな、真実のために
も  もっときれいに笑えたらいいのに


せ  世界の切っ先
め  目指すさきが君になるなら
て  天のように沈黙
よ  呼んでいい名前を教えて
け  敬愛を深くした感じ
い  いやだって言ってあげるから
な  泣かすくらいなら偽者でいい
か  重ねて、連ねて、足りやしない
な  なんどめかなんてわかんないぐらい
し  真理の使い手
み  みぐるしい無表情をみだしてください
を  思ひ余るる雪花石膏
ま  まやかしと信じた
と  とこしえのこころを
わ  私なんかより、君を好きになりなさい
ぬ  縫いつけて、冬のため
よ  よちよちあるいてとおくまで
う  上のほうの尊いどこか


さ  明かに見えし必然の
さ  さりとてゆめは
や  やさしさはあがないか
か  覚悟だってさ、馬鹿じゃないの
な  なまくら刀で縁切り
さ  さよならを泣かさないように
い  往く哀切を惜しむ
わ  私の幸福は面影になった
い  いきもののにおいだ
が  硝子も夢なら
か  黴くさい鼓動です
す  少なくともひとつの愛だけは
ま  守りの接吻
ぬ  濡らそうとも凍えさせまい
よ  よそのお国の方でしょう
う  うつらうつらの天井


た  喩えてなどいない
だ  誰かが君を抱きしめるのか
き  君はあるひとつの幻を見続ける
み  みんなきみをすきだといい
の  野ばらが攫っていったので
な  嘆きあうふたりを隠してください
ま  瞼に風を描けるように
え  永遠なんて知らないままで
を  黄金時代


な  なくした物なんて、不仕合せくらいです
が  害のない愛ではいられません
い  いつか君に優しい世界で
て  天の火を待ちながら
が  該当者なし
み  見失ったひと
の  逃れがたき怪物
あ  歩くのにいるのは、たぶん脚じゃないんだよ
て  定時に会いましょう
な  泣くためのいつか
の  昇っては降り注ぐもの
よ  夜があって、朝がきたこと
う  美しく立ちたいと思うたび
に  虹のたもとには、君がいるのかもしれないね




君の名前をどうか呼ばせて。
仄かなぬくもりだけを溶かし込もう。たとえ君に届かずとも。
せめて余計な悲しみを纏わぬよう。ささやかな幸いが霞まぬよう。
ただ君の名前を、長い手紙の宛名のように。
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