沼底の火
 
ぬ 拭っても拭っても、火はとまらないのです
ま 幻はみんな、沈黙にだけ閉じ込めました
そ 逸らした視線で、結局あなたを見ています
こ 心がなんです、心臓だけが現実でしょう
の 飲み込んだ色々が、胸の裡を食い荒らします
ひ 開いた窓は、そのまま未来のような気がして
 




胸の奥は沼の底。深く沈めて、それでも、軋むように燃える。
ぬ...変わってゆく世界と、変われない心と。/ ま...言葉にも、声色にも、決して、なにも込めないように。/ そ...あの日のあなたを、くりかえし、くりかえし映して。/ こ...わたしの幻は、あなたを、わたしを支えはしません。/ の...忘れられるかと思ったのに、溜まってゆくばかりです。/ ひ...風が通りました。空からまっすぐに、陽が差しました。
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